• アピタル

コロナ感染急拡大 大都市圏でも高まる危機感 備え急ぐ

新型コロナウイルスオミクロン株

久保田侑暉 関口佳代子
[PR]

 広島県沖縄県に続き、大都市圏でも感染者が急増している。大阪府東京都は昨年の「第4波」「第5波」で医療提供体制が危機的状況に陥った苦い経験を踏まえ、病床や宿泊療養施設の確保、自宅療養者への支援拡充などを急ピッチで進める。

 「沖縄の陽性者数を大阪の人口に当てはめると、(1日あたりの新規感染者は)1万人になる。大都市は密集していて、感染が広がりやすい」。大阪府の吉村洋文知事は、変異株「オミクロン株」による感染拡大への危機感を強める。

 オミクロン株は重症化しにくいとされるため、府は6日、軽症中等症患者をすぐに受け入れられる病床を1950床から2700床に増やすよう医療機関に要請。看護師が常駐する宿泊療養施設は約1万室を確保した。

 7日の重症病床使用率は0・2%、軽症中等症病床は13・9%だったが、入院や宿泊療養の基準を同日決定。入院は中等症以上の患者や、65歳以上で重症化リスクと発熱が続くなどの症状がある場合に限る。医療機関や宿泊療養施設で感染者を受け入れ切れない「災害級」の状況に備え、大阪市内に設置した「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(1千床)の初運用に向けて準備も進める。

 一方で、大幅に増えることが予想される自宅療養者への支援も強化する。保健所からの連絡がない場合、24時間相談に応じる電話窓口「自宅待機SOS」をすでに開設している。

 抗体治療などを行う医療機関も公表し、感染者が保健所を介さずに早期に治療を受けられるようにする。診療・相談まで流れをまとめたチラシも配布する。

 吉村知事は「オミクロン株の特性に合わせた対応が重要だ。必要な治療が受けられずに自宅で亡くなる状況は防がないといけない」と話す。(久保田侑暉)

 一方、東京都の小池百合子知事は13日、病床使用率が20%に到達するまでは行動制限の前提となる、まん延防止等重点措置の要請はしないと表明した。

 「これまでに経験のない高水準。この水準が継続すると危機的な感染状況になる」。13日にあった都のモニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は危機感をあらわにした。会議では週平均の感染者の増加率が、前週の308%から843%に大幅に増加していることが報告された。

 都は7日、オミクロン株への特別対応として、病床の確保レベルを最高レベルの3(6919床)に引き上げ、2週間以内に受け入れ体制を構築することを医療機関に求めている。

 軽症者向けには酸素投与などをする酸素・医療提供ステーション(施設型)計600床を「都民の城」(渋谷区)や旧赤羽中央総合病院(北区)など5カ所に用意。入院患者を一時的に受け入れる入院待機ステーションも46床準備する。

 重症化しにくいとされるオミクロン株だが、都内の自宅療養者はすでに3千人を超える。昨夏の第5波では最大2万6千人に上り、自宅療養中の死亡が相次いだ。都は12日から約1千の医療機関と連携して、自宅療養者の健康観察を保健所を介さず、直接、医療機関が担う取り組みを始めた。入院先の確保などで業務がパンクした保健所の負担軽減の一環で、患者1人あたり最高3万1200円が医療機関に支給される。

 一方、看護師が常駐する宿泊療養施設は、1月中に1万1千室(うち実稼働7900室)の確保を目指す。感染者の早期発見、早期診療を促そうと都民への無料検査も昨年12月25日から始め、約190の薬局や民間の検査機関で、PCR検査や抗原検査を受けられる体制をとっている。

 13日のモニタリング会議で、東京都医師会の猪口正孝副会長は、入院できない感染者が相次いだ第5波を踏まえ、「入院、宿泊療養、自宅療養をより効率的に選定し、円滑に療養生活へ移行できる体制を迅速に構築する必要がある」と述べた。ただ、感染者がどれだけ増えるかは未知数だ。ある都幹部は「ここまでなら耐えられるという目安はない。あるもので対応するしかない。どこまでやれるのかわからない」と懸念を示す。(関口佳代子)

新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[記事一覧へ]