雪組・バウ公演始まる 初主演の縣千、熱く激しいダンス 宝塚歌劇

宝塚歌劇団

杢田光
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 雪組のみずみずしいダンスが、冬の寒さを吹き飛ばす。宝塚バウホール(兵庫県宝塚市)で1月14日、「Sweet Little Rock ’n’ Roll」(脚本・演出 中村暁)が開幕した。

 プロローグから主演の縣千(あがたせん)が赤いジャケットをはためかせ、勢いよく跳びはねる。相手役の夢白(ゆめしろ)あやを軽やかに持ち上げると、Kポップで始まるフィナーレも激しい踊りの連続だ。

 物語の下敷きはシェークスピアの「から騒ぎ」で、1985年に月組の桐(きり)さと実(み)や涼風真世(すずかぜまよ)で初演された「スウィート・リトル・ロックンロール」をリメイクした。50年代のアメリカのハイスクールを舞台に、仲間たちが大きなお世話を繰り広げる。雪のマーク入りの巨大なジュークボックスの装置も、ロックンロールの世界を鮮やかに彩る。

 主人公は、入団7年目の縣が演じる転校生のビリー。武骨に粋がっているが、次第にシンディー(夢白)への気持ちを募らせていく。恋に不器用な生徒を応援しようと、フットボール部のコーチ(真那春人(まなはると))は躍起。そそのかされた生徒たちは、ひと芝居打って、カップルを成立させようとする。

 1幕の最後、混じりっけのないビリーのまっすぐな愛の告白が、すんなりと心に届く。透明感あふれる縣にぴったりの場面だ。彩海(あやみ)せらと音彩唯(ねいろゆい)の美声コンビも随所で活躍し、青春の恋を切なく歌い上げた。

 雪組は元々、東京国際フォーラム東京都千代田区)の「ODYSSEY(オデッセイ)」と二手に分かれて公演をする予定だった。だが、東京で公演関係者のコロナ感染が確認され、ODYSSEYの全公演が中止に。その緊張感も手伝ってか、ところどころ笑いの芝居は硬くなっていた。

 下級生までもっとこなれれば文句なし。お手本はすぐそばに。芸達者な先生コンビの真那と愛すみれから、大いに学んで盗んでほしい。

 千秋楽の25日午後2時半公演は、動画配信サービス「Rakuten TV」「U―NEXT」「dTV」でライブ配信される。

(最新舞台ニュース)杢田光