文字もスケスケ透明ヒスイ 作った教授「これほど愛されていたとは」

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竹野内崇宏
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 淡く半透明の色合いが美しい宝石ヒスイ(翡翠)。超高圧をかけることで、文字が透けて読めるほどの「透明ヒスイ」を作り出すことに愛媛大学などの研究チームが成功した。

 ヒスイは新潟県糸魚川市の海岸などで採集でき、摩耗しづらいことから、古くから宝石として親しまれてきた。日本は多産地の一つで、2016年には日本鉱物科学会が日本の「国石」に選定した。

 少し曇ったような風合いを持つのは、ケイ素、酸素、アルミニウム、ナトリウムなどを含む大小様々な結晶が詰まっていて、その境界や隙間で光が散乱するからだ。

 ただ、高い圧力をかけて結晶の粒を光の波長より小さくし、隙間もなくせば、光が散乱せずに透明にできるのでは、との仮説が知られていた。

 そこで入舩徹男(いりふねてつお)・愛媛大教授(高圧地球科学)らは、岩石に超高圧をかけられる装置「ORANGE(オレンジ)」を活用。ヒスイと同じ成分をもつ円柱形のガラスに、地下数百キロの深さに相当する10万~20万気圧と900~1300度の高温をかけて結晶が大きくならないよう工夫した。

 その結果、可視光の波長(400~800ナノメートル)よりも小さな240ナノメートルほどの結晶からなる、大きさ2~3ミリの人工ヒスイができた。

 このヒスイは可視光を約70%透過することができ、入舩さんによると「若干曇っているものの、向こう側が十分に見える。メガネに汚れがついたくらい」の透明度になった。

 結晶を100ナノメートル以下に小さくするのが目標で、より透明になると予想される。

 透明ヒスイの合成に対してSNS上では、「大好きな翡翠が透明になる? もっと惚(ほ)れるじゃないか」という意見もあったが、「翡翠はやっぱり白く濁ったのがいいんじゃないか」という意見も出た。

 「ヒスイがいかに愛されているかがわかりました。私自身もヒスイは不透明のままのほうが美しいと思います」と入舩さんも笑う。

 一方、人工ヒスイは天然もの…

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