若者はなぜ過激化し、テロを起こしたのか 特別法廷がもたらす裁き

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聞き手・疋田多揚
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 2015年のパリ同時多発テロから約6年が経ち、事件の被告を裁く裁判が昨年9月から始まっている。生還者や遺族、警察官はつらい記憶と向き合いながら、証言台でそれぞれの「11・13」を描く。裁判の意義とは何か。フランス国立科学研究センター(CNRS)のジェローム・トリュック研究員(社会学)に聞いた。

 Gerome Truc 社会学者。テロが社会にどんな影響を与え、どう記憶されるかを分析する。著書に、米国の「9・11」やパリ同時多発テロへの社会の反応を考察した『呆然(ぼうぜん)―テロの社会学―』(邦訳未刊)など。

 ――130人が犠牲になった2015年11月13日のパリ同時多発テロの特別法廷が、昨秋から開かれています。

「一つとして同じ『11・13』はない」

 「テロの犠牲者は、金曜夜にパリのカフェテラスに繰り出し、コンサートやサッカーの試合に出かけた人々だった」

 「30代で学歴があり、生活に余裕のある人々が多かった。それでも、そこには左派も右派も、裕福な人もそうでない人も、フランス人も外国人もいる。多様な経験があることに変わりはない」

 ――それぞれの証言が事件を点描しています。

 「裁判でわかったのは、一つ…

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