ことしの11月、カタールのピッチを彼はどんな思いで駆けているだろうか。
長友佑都、現在35歳。
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昨秋、欧州の第一線から11年ぶりにJリーグに復帰した。自信のある顔つきは変わらない。ただ、自らの立ち位置は少し変わった。
「自分が出られなくても、チームの勝利のために動けるんじゃないかと。それは今までの自分とはちょっと違っている」
この10年、日本の左サイドバックの定位置を誰にも渡さなかった。日本歴代2位の国際Aマッチ131試合出場を誇る「鉄人」だ。
昨年9月に始まったワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選。初戦こそ先発フル出場したものの、続く5試合は全て途中で退いた。直近2試合は後半15分過ぎまでのプレーで、24歳の中山雄太と代わった。戦術的な意味合いがあるとはいえ、これまでは見られなかった交代だ。
長友はイタリアの名門インテル・ミラノに7年在籍。トルコのガラタサライ、フランスのマルセイユと強豪クラブを渡り歩いてきた。欧州挑戦を引き続き模索したが、熱烈オファーを受けた古巣FC東京への復帰を選んだ。
欧州で長年プレーし、日本に戻った選手が活躍するのは簡単ではない。
W杯最終予選6試合、FC東京の昨季リーグ10試合で、長友のアシストはゼロ。高いスプリント能力でサイドを駆け上がり、鋭いクロスを送る。そんな躍動感あるプレーは減った。
「得点に絡むことや攻撃の組み立ての部分で貢献しないといけない」。持ち味だった攻撃参加を課題として認めたうえで、スピードとキレで勝負できる力はあると自負する。その力を確実に発揮するため、多様なことを採り入れてきた。
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