プルサーマル発電、同意自治体に交付金「復活」へ 経産省が22年度

長崎潤一郎
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 原発使用済み核燃料から取り出したプルトニウム再利用する「プルサーマル発電」をめぐり、経済産業省は受け入れに同意した地元自治体に交付金を配る制度を2022年度に復活させる。大手電力会社は30年度までに12基以上で導入をめざすが、現在は4基にとどまるなど行き詰まっている。地域振興に使える交付金を出すことで、地元同意を促したい考えだ。

 プルサーマルは、国が推進する「核燃料サイクル政策」の一環で、使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を原発で再び使う。プルトニウムを取り出す日本原燃再処理工場青森県六ケ所村)は22年度上期の完成を予定するが、プルサーマルが広がらなければ、工場の稼働は制限される。日本は核兵器の原料にもなるプルトニウムを約46トンもち、さらに増やすことには国際的な懸念が強い。

 プルサーマルの交付金をめぐっては、08年度までに受け入れに同意した都道府県に最大60億円を出す制度や、14年度までに同意すれば最大30億円を配る制度があった。福井や愛媛、佐賀など8道県が交付対象になったが、今は新たな申請ができない。そのため経産省は、過去の交付金の対象にならなかった原発がある自治体向けの新たな制度を導入する。日本原子力発電東海第二(茨城県)や北陸電力志賀(石川県)などが対象となる見通しで、金額は最大で数十億円規模とみられる。

 大手電力会社でつくる電気事業連合会は、30年度までに少なくとも12基でプルサーマルを始めたい考えだが、これまでに実施したのは関西電力高浜3、4号機(福井県)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力玄海3号機(佐賀県)の4基。過去の交付金の対象となっている中部電力浜岡(静岡県)や中国電力島根(島根県)などの原発は、原子力規制委員会の審査や地元同意の手続きが難航して再稼働の見通しが立たない。国民の原発への不信感が根強い中、安全面でより慎重な対応が求められるプルサーマルの導入拡大はさらに難しいのが実情だ。(長崎潤一郎)