薄毛治療、保険適用を公約で論戦 韓国大統領選で与党候補

韓国大統領選挙2022

ソウル=神谷毅
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 3月に行われる韓国大統領選をめぐり、ポピュリズムならぬ「毛ピュリズム」が与野党の候補間で論戦になっている。文在寅(ムンジェイン)政権の与党「共に民主党」候補の李在明(イジェミョン)前京畿道知事が「薄毛治療」に健康保険を適用すると公約に掲げ、話題になっている。

 李氏は14日、「薄毛で悩む人たちの苦痛をなくします。薄毛治療への健康保険を拡大します」と発表した。韓国では、日本の作家、村上春樹さんの造語である「小確幸」という言葉が流行している。「小さいけど確かな幸せ」との意で、李氏の薄毛公約は「小確幸」公約の一環だ。

 李氏は、薄毛治療を受ける患者の半数は30代以下の若者で、男女の比率も同じぐらいだといい、「特定の人の問題ではない」と主張。「薄毛治療で健康保険を適用されている患者は2・3%しかいない」と公約の重要性を強調した。

 薄毛治療への健康保険適用をめぐっては、今月初めに李氏の選対の議論の中で若者から提起された。李氏は、急速な高齢化を受けて厳しさを増す健康保険の財政問題を指摘したものの、当初から積極的で、世論やメディアで話題になったことを受け、正式に公約として採用したようだ。

 一方、最大野党「国民の力」の中央選挙対策本部の報道官は14日、「亡国の毛ピュリズムだ」と強く批判。同党議員は「難病患者の声を無視し、票にさえなれば何でもやるという李氏の魂胆が表れている」と語った。同党候補の尹錫悦(ユンソクヨル)前検事総長も、電気料金引き上げの白紙化といった暮らしに関わる公約を相次いで打ち出しており、世論の関心をつかもうと必死になっている。(ソウル=神谷毅)