被災したスキー場が再開 失ったリフトの代わりに、バスをチャーター

山下周平
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 2年前の豪雨災害で大きな被害を受けた岐阜県高山市営の「乗鞍高原飛驒高山スキー場」が2季ぶりの営業を始めた。スキー場経営が厳しい状況の中、被災で失ったリフトを復旧するには至らず、バスをリフト代わりにして、再開にこぎ着けた。

 3連休中日の9日、高山市街地から車で40分ほどのスキー場は、多くのスキーヤーでにぎわった。昨年12月23日から営業を始め、この日は今季最多の約300人が訪れた。

 地元スポーツ少年団に所属する市立新宮小の畑中陽樹さん(6年)は昨季は別のスキー場に通った。「ここのゲレンデは滑りやすいので、また滑れるようになってうれしい」と話した。

 標高約1300~1500メートルにある飛驒高山スキー場は2020年7月、飛驒地方を中心に多くの被害があった豪雨災害で、ゲレンデののり面が幅40メートルにわたって崩落。高速ペアリフトの乗り場や、スキーの貸し出しなどをするセンターハウスが土砂にのまれた。

リフトの復旧はままならなず

 このリフトは、ゲレンデの上にある宿泊施設「国立乗鞍青少年交流の家」に直結する。スキー場の運営を担当する市観光課の白野智士さんは「主要な利用客を運ぶ重要なリフトが被災する最悪の事態だった」と話す。

 スキー指導者ら地域からは、再開の要望が寄せられていた。ただ、少子高齢化などでスキー人口は減少傾向が続き、市営スキー場の経営状況は厳しく、リフトの復旧はままならない。そこで、今季は残る別のリフト1本だけで開業。リフト料金はこれまでの半額に値下げし、レストランも休業した。交流の家の利用者は地元バスなどをチャーターし、麓に滑り降りると、バスをリフト代わりに上まで運んでもらうこともできるなど、これまでにない形での再開となった。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、予定されている小中学校のスキー教室が中止になることも懸念される。白野さんは「なんとか再開にこぎ着けたが、しばらく手探りが続きそう」と話す。今季の営業は3月末までを予定している。(山下周平)