大茶盛 歴史も味わう 西大寺・八幡神社で

米田千佐子
[PR]

 奈良市西大寺と近くの八幡神社で15日、新春初釜大茶盛式が開かれた。西大寺の鎮守社だった八幡神社での献茶式の後、寺で大きな茶わんにたてられた茶がふるまわれた。

 午後1時40分ごろ、僧侶約10人と一般の参拝者約20人が西大寺から徒歩約10分の八幡神社へ出発。神社で献茶法要があり、神社の神に茶が献じられた。

 その後、神社の氏子らと共に西大寺へ。参加者は大茶盛の由来などを聞き、生駒・高山で作られた特製茶せんで茶をたてる「シャッシャッ」という音に耳を傾けた。以前は複数で支えるほどの特大の茶わんで回し飲みをしたが、コロナ禍で1人1わんに。赤膚焼(あかはだやき)、九谷焼などの大ぶりな茶わんが使われた。

 1239(延応1)年1月16日、鎌倉時代に寺を再興した叡尊(えいそん)上人が八幡神社の神に献茶をし、集まった村人に残りをふるまったのが大茶盛の由来と伝わる。茶は日本に伝来して間もないころで、薬として珍重されていたという。

 近代以降、神社での献茶は途切れていたが、昨年開かれた松村隆誉(りゅうよ)長老の晋山式の際に復興された。寺によると、来年からは献茶式も含めた新春の大茶盛式を1月16日に開く予定という。

 八幡神社の氏子の奈良市の岡本忠男さん(75)は「(神社と寺の)つながりができたのがありがたい。歴史に触れてシャキッとしました」。大和郡山市の会社員、井上華子さんは「献茶式って何?と思ったけれど貴重な体験。ずしりと重く感じました」と話した。(米田千佐子)