火山爆発指数5~6の規模か ピナトゥボが6、「破局噴火」は7以上

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山野拓郎 ワシントン=合田禄
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 南太平洋のトンガ諸島にある海底火山で日本時間15日に発生した爆発的な噴火は、噴煙が成層圏にまで達し、遠く離れた日本にも津波警報が出た。噴火の規模は、昨夏の福徳岡ノ場をはるかに超え、記録的な冷夏の原因にもなった1991年のフィリピン・ピナトゥボ山の噴火にも迫るとの見方もある。世界的な気候への影響も懸念される。

 地元当局などの観測では、噴火は日本時間の14日と15日にあり、特に15日午後1時ごろに発生した噴火が大規模だった。

 米海洋大気局(NOAA)や日本の気象衛星「ひまわり8号」の衛星画像などから、噴煙の高さは上空約20キロと成層圏にまで達し、半径260キロにわたって広がったとみられる。

 NOAAによると、噴火があった周辺では2014~15年に海底火山の噴火があり、新島ができていた。世界の火山活動をまとめている米スミソニアン自然史博物館によると、昨年末から今月初めにかけて断続的に噴火があったが、その後は活動が落ち着いていたという。

 今回の噴火の規模について、防災科学技術研究所火山研究推進センターの中田節也センター長(火山地質学)は、噴煙の高さや広がりから、火山爆発指数(VEI)で5~6だったのではないかと指摘する。「ピナトゥボ山の噴火が6で、それと同じか、やや小さいくらいだった可能性がある」と話した。

 VEIは、噴出物の量で噴火…

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    江渕崇
    (朝日新聞経済部次長=日米欧の経済全般)
    2022年1月16日22時52分 投稿
    【解説】

     今回の噴火は、火山爆発指数(VEI)でピナトゥボ噴火に匹敵する「6」となる可能性が指摘されています。もしそうなら頻度では「100年に1度」ともいわれる大きさです。いま人類が直面している最大の課題の一つは温暖化の危機ですが、VEIで「6」以