途切れた通信、乏しい現地情報 トンガの人々の安否は…増す不安
南太平洋のトンガ諸島の海底火山で起きた大規模噴火。被災地からは電話やSNSで不安を訴える声が相次いだ後に通信が途絶え、16日も連絡が難しい状況が続く。被害はどれほどか。関係者は現地の人々の安否を気遣っている。
「津波だ、逃げろ!」
昨夏の東京五輪の開会式でトンガの旗手を務めたピタ・タウファトファ選手が16日、トンガのハアパイ諸島で撮影されたとみられる動画をSNSに投稿した。「バーン」という大きな音と衝撃があり、人の叫び声とともに画面が揺れて動画は途切れる。
タウファトファ選手は開会式で民族衣装をまとい、鍛え上げられた上半身にオイルを塗って行進した。関係者によると豪州で合宿中だが、16日、「愛するトンガのために援助がしたい」とクラウドファンディング(https://gofund.me/e3916dc5)を立ち上げた。午後8時時点で約900万円が集まっている。
日本のラグビーチームのスタッフとして働く大阪府東大阪市のタウファ統悦(とうえつ)さん(41)は噴火の約1時間後、故郷のトンガに暮らす妹から電話を受けた。
「怖い、怖い」。妹の声は焦った様子だった。ゴロゴロと雷のような音とともに、妹の幼い子どもたちの泣き声が聞こえた。
妹の自宅まで細かい石が屋根に飛んでくるといい、「空が赤くて、黒っぽいガスが立ちこめている」。そう訴える妹を「大丈夫、絶対に外には出ないで」となだめ続けた。いったん電話を切り、仕事から戻ってかけ直すと、電話はもうつながらなかった。
噴火後の街は広範囲で火山灰に覆われているようだ。首都ヌクアロファにいるニュージーランド外交官は16日、同国メディアに衛星電話を使った取材で、「まるで月面の風景のようだ」と語った。現時点で空は穏やかで、火山灰には覆われていないというが、「火山灰が土壌に与えた影響を考えると、深刻な問題に対処しなければならないだろう」と指摘している。
トンガは約170の島からな…
- 【視点】
20年以上も前の話で恐縮ですが、一人旅でトンガに行ったことがあります。 ガリバー旅行記の巨人の国のモデルと聞いて関心を持ったのがきっかけでした。リュック一つの気ままな貧乏旅行でしたが、首都ヌクアロファだけでなく離島にも足をのばしてこの南太
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