北朝鮮が2発の弾道ミサイル発射か 日本のEEZ外に落下の模様

ソウル=鈴木拓也
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 韓国軍の合同参謀本部によると、17日午前に北朝鮮の平壌にある順安空港付近から弾道ミサイルとみられる2発が日本海に向けて発射された。日本の排他的経済水域(EEZ)の外側の海上に落下したとみられる。国連安保理決議違反となる弾道ミサイルの発射であれば、今年に入り4回目になる。

 岸信夫防衛相は同日の記者会見で、2発は午前8時49分と同8時52分に発射され、最高高度は約50キロ、通常の弾道軌道であれば約300キロ飛行し、EEZの外の北朝鮮東海岸付近に落下したとみられる、と発表した。

 北朝鮮は5日と11日にそれぞれ、変則的軌道で迎撃を困難にさせる「極超音速ミサイル」と称する短距離弾道ミサイルを発射。14日にも、「鉄道機動ミサイル連隊の射撃訓練」として、短距離弾道ミサイル2発を発射していた。

 北朝鮮は、昨年1月の第8回朝鮮労働党大会で提示された「兵器システム開発5カ年計画」に基づき、核ミサイル開発を進める。「合法的な自衛権行使」と主張し、今後も弾道ミサイル発射を繰り返すとみられる。

 米国が12日に、北朝鮮の弾道ミサイル開発に関して新たな制裁を発表すると、北朝鮮は「米国がこのような対決姿勢を取るなら、さらに強力ではっきりと反応せざるを得ない」と警告する外務省報道官の談話を出した。相次ぐ発射に、韓国の専門家は、米国などへの牽制(けんせい)や国内結束の強化を狙う意図もあるとみている。

岸田首相、情報収集・分析を指示(ソウル=鈴木拓也)

 北朝鮮から弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体が発射されたことを受け、岸田文雄首相は17日午前、情報収集・分析に全力を挙げて国民に情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示した。政府は官邸危機管理センターの対策室で情報集約し、緊急参集チームを招集して、対応を協議した。現時点で被害は確認されていないという。

 松野博一官房長官は同日午前の記者会見で「これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、我が国と地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、強く非難する」と述べた。松野氏は、21日の首相とバイデン米大統領とのオンライン形式による首脳会談でも、主要議題の一つになるとの見通しを示した。

 林芳正外相は記者団に「今年に入ってからに限っても5日、11日、14日に続いて北朝鮮が連続してミサイルを発射しているのは誠に遺憾だ。外務省としても発射直後から米国及び韓国と緊密な連携を確認してきている」と語った。