亡くなった母と同じ年齢に 各地で追悼行事、阪神淡路大震災27年

阪神・淡路大震災

井岡諒、中塚久美子、真常法彦、鈴木春香
[PR]

 阪神・淡路大震災の発生から27年を迎えた17日、兵庫県各地では犠牲者を悼む行事があった。あの日と同じ暗く冷たい朝、多くの人が大切な人たちを思い、手を合わせた。

 夜明け前、神戸市街を一望できる諏訪山公園ビーナスブリッジ(神戸市中央区)でトランペット奏者の松平晃さん(79)=川崎市=は無数のまちの光に向かって、伸びやかな音色を響かせた。

 演奏したのは、童謡「どこかで春が」。震災で命を落とした幼い子どもたちへの鎮魂の思いを込めた。東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」など、花にまつわる5曲のメドレーも披露した。

 松平さんは、震災の前日まで公演で神戸に滞在していた。翌日、職場のテレビで被災した街並みを見て、言葉を失ったという。1999年から毎年この日はここでトランペットを吹いてきた。震災で亡くなったり、傷ついたりした子どもたちが「安らげるように」との思いで、童謡や唱歌から選曲してきた。

 演奏を初めて聴きに来たという神戸市中央区の40代女性は、「震災はいつまでも忘れられない経験。当時の映像などを見ると落ち込むときもあるが、生演奏を聴いて心が前向きになった」と話した。

 兵庫県西宮市の西宮震災記念碑公園では、犠牲になった1086人の名前を刻んだ追悼之碑の前で、約200人が祈りを捧げた。

 市内に住む松山喜代子さん(72)は、全壊した自宅で亡くなった母親の井田道子さん(当時72)に花束を手向けた。母親と同じ年齢でこの日を迎え、「いろいろやりたいことがあっただろうに。私が普通に元気に過ごしていることを、喜んでくれていると思う」と話した。

 元西宮市職員の桑原博さん(71)も当時の自宅が全壊。家族がけがをし、隣人が亡くなった。気持ちの整理がつかないまま、翌日から出勤して支援物資の整理や配布に追われた。「多くの人の命を奪った震災を、経験した者が次世代に伝えていかなければならない」

 神戸市中央区の公園「東遊園地」では、震災を忘れないとの思いを込めて「忘 1・17」の文字に並べた灯籠(とうろう)の火を見つめ、静かに犠牲者を思う人たちの姿があった。

 遺族代表として追悼の言葉を述べたシンガー・ソングライターの田代作人さん(37)=大阪府茨木市=は、17歳で亡くなった姉への思いを込めた曲「Dear Sister」を歌った。(井岡諒、中塚久美子、真常法彦、鈴木春香)

1.17 再現/阪神・淡路大震災

1.17 再現/阪神・淡路大震災

あの日、何が起こったのか。阪神・淡路大震災を映像や音声でお伝えします。[記事一覧へ]