現場へ! 「隔離」を伝える③
「ここは病院じゃなくて 私達(たち)は島流しにされたんだ」
美容師にあこがれていた上原麦は、「らい」とよばれた病にかかり、島に隔離された。「麦ばあ」になった晩年、女子短大生と出会って人生を振り返る――。
岡山県瀬戸内市の長島にある「邑久(おく)光明園(こうみょうえん)」を舞台にした漫画「麦ばあの島」のあらすじだ。
昨年末、兵庫県尼崎市であった人権講座で、作者の古林海月(ふるばやしかいげつ)(53)がスクリーンにいくつかのページを映し出した。
「コレヨリ無菌地帯 患者立チ入ルベカラズ」という杭が境界に立つシーン。担任教師が「堪忍(かんにん)ね、あなたの触れたものは焼き捨てるよう警察が」と言うシーン、妊娠した麦が脱走しようとして医師に見つかるシーン。約100人が熱心に耳を傾けていた。
古林に講師を打診したのは…