システム障害相次ぐみずほの風土改革 「経営陣が手本を」 八田教授

聞き手・西尾邦明
[PR]

 みずほ銀行の一連のシステム障害では、根本原因として、企業風土の問題が問われた。新しい経営陣が取り組むべき課題について、企業統治に詳しい八田進二・青山学院大名誉教授に聞いた。

 みずほが信頼回復に向け生まれ変わることができるかは、経営陣にかかっている。金融庁からも指摘された縦割りの企業風土を変えるための特効薬はないが、経営陣が率先して手本を見せていくことが必要だ。

 欧米には「トーン・アット・ザ・トップ」と呼ばれ、経営トップが社員に見せる誠実な姿勢から生まれる企業風土を重視する考え方がある。新社長は前例踏襲や忖度(そんたく)を排して最高の組織に変えていくことを明確に打ち出すとともに、システム障害など企業価値を損なうことにつながる問題について、社員が組織の縦・横を超えて、声を上げられる信頼関係を築くべきだ。

 企業統治の要である社外取締役の責任も重大だ。その役割が大きい指名委員会等設置会社にもかかわらず、一連の障害で動きが見えなかった。新たに役割の拡充を決めたが、問われているのは適格性だ。金融機関の業務や心臓部であるシステムに精通し、リスク感覚の高い人物が必要だ。会社の非常時には、常勤の態勢を取れるような時間的余裕も必要であり、4社も5社も兼務している人は不適格だろう。

 現場に自ら足を運び、社員と意見を交わすフットワークの軽さも求められる。ひざ詰めで話す中で、自ら現場の不満をすくいあげ、業務執行の監督に生かすべきだ。会社も、お客様扱いする必要はない。

 みずほには優秀な社員が大勢いるし、社会の期待も大きい。新しい経営陣のリーダーシップのもとで「システム障害のみずほ」の汚名を、今度こそ返上してほしい。(聞き手・西尾邦明)