「美談でなく文句を」 真山仁さんが震災小説を書くのはなぜか

有料会員記事

聞き手 編集委員・東野真和
[PR]

 「ハゲタカ」シリーズなどの経済小説で知られる小説家の真山仁さん(59)は、東日本大震災阪神・淡路大震災を題材にした3部作も発表している。その原点となった27年前の神戸での被災体験や、東日本大震災の東北の被災地取材から見えてきた、後世に私たちが伝えるべきものについて聞いた。

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災が起きたころは、新聞記者を辞めて4、5年経ち、フリーライターをしながら小説の投稿をしていた。

 揺れがあった朝は自宅にいた。7階建てマンションの1階。徹夜で会社案内を書く仕事を終えて、「ああ、これでまとまったお金が入るから、思いっきり小説を書こう」と、寝入ってから40分しか経っていなかった。

 不思議と怖くなかった。それどころか、落ちてくるかもしれない天井を見ながら「人が苦労して小説書いて、やっと賞に手が届きそうになった時に、神様は俺を殺すのか。殺すなら殺せ。神様なんか信じてないけど、いるなら出てこい」とむちゃくちゃ腹が立った。

後半では、震災の小説を書くようになったいきさつや、後世に伝えるべきものについて、真山さんが語ります。

写真・図版
真山仁さん

■「生き残ってしまった」とい…

この記事は有料会員記事です。残り2720文字有料会員になると続きをお読みいただけます。