閉ざされていた中朝国境の鉄橋を、北朝鮮への援助物資を積んだ列車が2年ぶりに渡った。新型コロナの流入を恐れた北朝鮮の「国境封鎖」は物資不足に拍車をかけ、2月の故金正日(キムジョンイル)総書記の生誕80周年など重要な節目が今年相次ぐ北朝鮮側も「我慢の限界」に達したとの見方がある。列車の運行再開は人の往来を回避しつつ、暮らしや農業に不可欠な物資を確保する狙いがある。
「権力層が住む首都・平壌の経済状況も厳しくなってきているほどで、我慢も限界になってきているのだろう」。北朝鮮の元高官は貨物往来の再開についてこう指摘する。中国にいる北朝鮮の事情に詳しい関係者は言う。「あらゆる我慢も限界に達し、行動しなくてはならないということだ」
複数の中朝貿易などの関係者によると、2年ぶりとなる列車の運行再開で搬入される物資の多くは農業用品で、肥料やビニールシートなど春の農作業に使うものだという。2021年春の農作業ではガソリン不足で多くの機械や車両が動かせず、人力に頼る地域が増えたことが影響したとみられる。
北朝鮮側では昨秋以降、平壌…

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