ベトナム人技能実習生「2年間暴行された」 たたく・蹴る……骨折も

吉川喬
【動画】暴行を受けるベトナム人技能実習生=福山ユニオンたんぽぽ提供
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 福山ユニオンたんぽぽ(広島県福山市)は17日、岡山市で会見を開き、岡山市内の建設会社で働くベトナム人の男性技能実習生(41)が職場で繰り返し暴行を受けていた、と訴えた。2年にわたり、ほうきでたたかれたり、蹴られたりし、骨折したこともあったという。たんぽぽは、監督機関の外国人技能実習機構(東京)へ通報したという。

 たんぽぽによると、男性は2019年秋に来日。同年から約2年間、建設現場で足場を組む作業などをしていた。働き始めて1カ月くらいして、職場同僚の日本人から暴力を受けるようになった。暴力をふるっていたのは3人といい、ほうきや棒状のもので背中や腰などを何度もたたかれたり、左胸あたりを安全靴で蹴られて肋骨(ろっこつ)3本を折られたりしたという。骨折した際は、会社から「階段から落ちたことにしておけ」と指示されたという。

 男性は21年6月、監理団体の岡山産業技術協同組合へ暴行を受けていることを相談。一時的に暴行は収まったが、すぐに再開したという。このため、知人の別のベトナム人から紹介され、たんぽぽに相談。21年10月に保護された。

建設会社側「答えられない」

 たんぽぽは、謝罪や慰謝料などを求めて会社や組合と協議中だが、会社側は、ケガは事故によるものだとして、暴行を否定しているという。会社や組合は朝日新聞の取材に「答えられない」としている。

 会見で男性は涙を流しながら、「日本は安全で優しい国だと思っていたのに。ベトナムに残してきた妻や娘のことなどを考え、ずっと我慢してきた」と訴えた。日本で働くためにかかった約100万円の借金を返済中で、日本の別の会社で働きたいとしている。(吉川喬)

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年1月18日10時34分 投稿

    【視点】昨年5月に公開された映画「海辺の彼女たち」は、3人のベトナム人技能実習生が職場を逃げ出した後の道のりをたどる内容で、公開当時実習生が置かれた過酷な状況について関心が高まりました。また、2020年にはコロナ禍を背景に北関東で家畜や果物が大量に