昼間に自転車で下見、室内犬は厄介…泥棒の手口から防犯冊子を作成

魚住あかり
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 【静岡】「俺のドロボーの知識をみんなに教えてあげるよ!」。実際に逮捕された泥棒の独白形式をとったユニークな防犯冊子『シン・ドロボーのひとり言』を焼津署が作った。数百件の出店荒らしを繰り返した犯人の手口や心理を紹介し、有効な対策を示している。

 怪しまれない昼間に自転車で下見。トラックの通過するタイミングに合わせて窓ガラスを割り、音をかき消す――。冊子では、巧妙な手口が次々と紹介される。

 独白するのは、2014年から昨年5月まで、焼津市藤枝市で盗みを繰り返した本物の泥棒。ホテルを転々としながら、クレジットカードの支払期限の度に、美容院や飲食店などに忍び込み、犯行に及んだという。裁判では「450軒ほど盗みに入った」と告白し、懲役2年10カ月の実刑判決を受けた。

 7年間も捕まらずに盗みを繰り返した男の慎重さには、捜査関係者も舌を巻いたという。事前に必ず下見を実施。人に紛れる昼間に自転車で街をめぐり、防犯カメラの有無や撮影角度などを確認して狙いを定めた。途中、高台に登り、尾行されていないか警戒。下見の際に不審に思われていたとしても失敗しないように、犯行は警戒心が薄れた頃を見計らって実行していた。知りたい情報がある際は、インターネット検索では履歴が残るため、わざわざ図書館に行って調べた。

 そんな「プロの泥棒」の取り調べからわかった手口や心理を元に、冊子では防犯上のポイントをまとめている。

 例えば、泥棒が侵入しやすいのは網入りガラスの店。割ったときに破片が飛び散らず、音も小さいためだ。逆に入りにくいのは二重ガラスや防犯ガラスを使った店。割るのに時間がかかり、気づかれるリスクが高まるからだという。

 電気がついている店は、人目につきやすいため避ける傾向にあり、犯行日は、音がかき消される雨の日を好む。ほえる犬も苦手で、事前に餌付けなどの対策がとれない室内犬を厄介に感じているという。犯行時は、音を出すことに慎重になり、防犯センサーや防犯砂利などの対策は有効だという。

 同署は昨年末から、市内の小売店に冊子の配布を始めた。同署の佐野拓也生活安全課長は、「店に現金を置かない、閉店後も電気をつけておくなど、すぐできる対策もある」と対策を呼びかけている。

 同名の手引の新版として作成した。焼津署のホームページでも公開している。(魚住あかり)

泥棒が嫌がる防犯対策

・店内に現金を置かない

・音が出るセンサーや砂利、ほえる犬

・閉店後も点灯

・防犯カメラの設置

・窓は二重ガラスや防犯ガラスに