国として週休2・5日を電撃導入 働き方改革、海外では給与で工夫も

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ドバイ=伊藤喜之
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 アラブ首長国連邦(UAE)が新年から「週休2・5日制」を導入した。従来は金曜と土曜だけだった週休を半日延ばし、金曜午後から日曜いっぱいを休みとした。年末に発表してから実施までわずか25日。一気呵成(いっきかせい)の「UAE流・働き方改革」に現地の人々は対応できたのか。

 1月7日午後1時すぎ、新年初めての金曜を迎えたドバイのモスク(イスラム礼拝所)に、黒山の人だかりができていた。建物からあふれ出た人々は、地面に礼拝用のカーペットをしいて祈りを捧げている。

 イスラム教では1週間のなかで金曜が最も神聖とされ、集団礼拝が行われる。

 朝日新聞の支局に近く、私もよく前を通るが、これほどの人々が礼拝に集まるのを見たのは初めてだ。

 このモスクに長年通っているという不動産業の男性(28)は「先月までは1千人もきていなかった。今日は1500人以上はきているね」と驚いた様子だ。

職場から近くのモスクへ

 なぜ、増えたのか。

 その理由は、UAEが1月1日から電撃的に導入した「週末」の変更だ。

 UAE政府は労働時間を減らしてワーク・ライフ・バランスを向上させることに加え、欧米諸国と同じく土日を休みとすることで、外国企業と取引しやすくすることを理由に挙げた。

 礼拝時間は日によって前後するのが通常だが、国中のモスクに呼びかけて金曜の集団礼拝の時間は午後1時15分からに統一。仕事帰りでも礼拝に間に合うようにした。

 その結果、商業地区にある、こうしたモスクの集団礼拝には近くの職場での仕事終わりや、昼休みに中抜けしてきた参加者が急増した。逆に住宅地では金曜に出勤する人たちが増え、参加者が減っているというわけだ。

 礼拝の時間を国が統一したことは宗教的に問題ないのだろうか。このモスクの指導者は取材に「確かに昼の礼拝は太陽が一番高く昇った時に始めるのが一番望ましいとされるが、次の礼拝時間までにすればいいという教えもある。慈悲深い神のおかげだ」と話した。

 参加者にも新たな週末の感想を聞いてみた。IT会社員のアジームさん(38)は「世界の株式市場と同じ時間になったので、取引がしやすく、仕事が非常にやりやすくなった」と満足げ。日ごろから在宅勤務のため、礼拝への影響もないという。

 電機メーカーに勤務するアテ…

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