芥川賞直木賞まもなく発表 注目は直木賞候補の人気作家2人の対決

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中村真理子
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 第166回芥川賞・直木賞がまもなく発表される。19日に東京・築地の新喜楽で選考会があり、夜には結果が出そろう。両賞ともにノミネートは5作。さて、どの作品が受賞となるか。

 芥川賞は、乗代雄介さんと砂川文次さんが3度目の候補入り。

 乗代さんはすでに野間文芸新人賞三島由紀夫賞を受賞していて、芥川賞に一番近い候補者と言えそうだ。「皆のあらばしり」(新潮10月号)は栃木・皆川城址(じょうし)を舞台に、歴史研究部の高校生と怪しい関西弁を操る中年男が、ある謎の書の存在を追う。

 砂川さんは元自衛官という肩書を持ち、過去に芥川賞候補となった「戦場のレビヤタン」「小隊」は戦闘描写のリアルさが評価されていた。今回の候補作「ブラックボックス」(群像8月号)は戦争ものから一転、自転車便のメッセンジャーを描く。

 あとの3人は初めての候補入り。

 島口大樹さんは「鳥がぼくらは祈り、」で昨年、群像新人文学賞を受けてデビューしたばかり。23歳という若さは作品にも投影されていて、今回候補になった2作目「オン・ザ・プラネット」(群像12月号)は、現代の若者の意識や会話の流れに読み応えがある。

 九段理江さんも昨年、文学界新人賞を受けてデビューした。島口さんと同じく2作目での候補入りとなった「Schoolgirl」(文学界12月号)は、母と娘のわかりあえなさを、太宰治の「女生徒」に重ねた。

 石田夏穂さんは「我が友、スミス」(すばる11月号)ですばる文学賞佳作を受けた、まったくの新人だ。女性のボディービルダーを主人公に、フェミニズムとは何かを問う異色作。

 芥川賞候補作の発表時に驚い…

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