第2回「労働者を味方に」踏み間違えたアクセル バイデン氏に忍び寄る悪夢

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ニューヨーク=真海喬生、ワシントン=青山直篤
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バイデン政権1年㊥

 「労働に報いるパラダイムシフト(枠組みの転換)」を訴え、コロナ禍を契機とした大胆な経済政策を掲げたバイデン米大統領。経済は回復し、労働者の立場も強まったが、誤算に大きく足をすくわれている。それは想定外の激しい物価上昇(インフレ)だ。

デジタル連載「バイデン政権1年」

社会の分断を癒やし、団結を――。そう掲げてバイデン政権が発足して1年。見えてきたのは米国社会の亀裂の深さでした。

 「ケロッグにストライキ中」「全員に平等な給与と福利厚生を」。2021年11月、米中西部ネブラスカ州オマハの食品メーカー、ケロッグの工場前で従業員が看板を掲げていた。通りかかる車が応援の意図を込め、クラクションを鳴らして走っていく。

 ケロッグの地元の労働組合のリーダー、ダン・オズボーンさん(46)は「工場に出入りする業者までクラクションを鳴らしたのを聞いただろ? みんなサポートしてくれているんだ」。

 この1カ月前、ケロッグでは米国内4工場の計1400人が一斉にストに入った。組合側は、雇用区分の見直しで賃金や福利厚生が悪化すると危機感を募らせ、改善を訴えた。オズボーンさんは「18年間ここで働き、愛着もある。パンデミック以降ろくに休まず働き、『ヒーロー』と言われた。会社には報いて欲しい」。

バイデン政権による巨額な財政出動もあり、回復を遂げる米国経済。労働者の立場も強まる一方で、バイデン氏の支持率は低迷しています。何を見誤ったのでしょうか。

 会社側は一時、従業員の入れ…

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