「永久緩和」のまま来春の任期切れまでやり過ごそうとしてきた日本銀行の黒田東彦総裁にとって、きわめて難しい局面がやってきた。ときならぬコロナ禍のもとでのインフレに見舞われた米欧が金融引き締めや緩和縮小に動き始めたからだ。
日米金利差がもたらす市場の動揺の問題だけにとどまらず、エネルギー高騰や部品供給の遅滞などによるインフレ圧力は日本にもじわりと強まっている。ときならぬインフレは今後、日本でもありえない事態ではなくなっているのだ。2%インフレ目標を達成するまで「現在の強力な金融緩和を粘り強くやる」という姿勢をかたくなに守ってきた黒田総裁はそのとき、どうするのか。
18日午後3時30分から黒田総裁の記者会見が予定されている。これまでのかたくなで単調な姿勢があだとなり、唐突な路線転換はとてもできそうもない。とはいえ緩和一辺倒の説明ぶりでも通用しなくなりつつある。複雑な状況のもとで、どう発言を修正するかが注目される。
日銀は18日、金融政策決定…