第3回「ボーイングのおごりが殺した」事故機のリスク、操縦士も知らされず

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シカゴ=江渕崇
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 米ボーイングの小型機737MAXが立て続けに墜落した事故は、機体の姿勢を制御するシステムの誤作動が直接の原因だった。737MAXが十分安全なのか米連邦航空局(FAA)が審査する手続きで、ボーイングはそのシステムの存在をFAAに過小評価させることに徹底的にこだわった。コストのかさむパイロットの訓練を義務づけられたくなかったからだ。肝心の乗客の安全は、置き去りにされた。

 「(前世代機の)737NG向けだろうがMAX向けだろうが、訓練は違わない。見え透いたでっち上げに見えるのは分かっているが、それが我々が規制当局とプレーすべきゲームなんだ」(2015年6月12日)

 「NGからMAXへの移行に、いかなるシミュレーター訓練も要求させはしない。ボーイングは、そんなことは許さない。それを要求しようとする、どんな規制当局にも立ち向かう」(17年3月28日)

 「君は家族をMAXに乗せるか? 自分なら乗せない」(18年2月8日)

 737MAXの開発とFAAによる審査が並行して進んでいた2013~18年、チーフ・テストパイロットだったマーク・フォークナーらボーイング社員が同僚らに宛てた膨大なメールやメッセージの原文が、米議会の調査によって明るみに出た。

 そのうち公表された117ページの記録から浮かび上がるのは、737MAXの開発陣が問題のシステムの危うさに感付いていたのに、訓練を回避するためにそれをFAAに隠していた疑いが強いことだ。

 各国の航空当局を見下す姿勢もまた、際立っていた。

 「この飛行機を設計したのは道化で、そいつらは今度はサルたちに監督されているんだ」(17年4月26日)

安全の鉄則に明らかに違反

 「道化」はボーイングのエン…

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