コムデギャルソンは17日、東京都内の本社が入るビルで2022年秋冬メンズコレクションのショーを開催した。川久保玲が手がける男性服は、抽象的で芸術作品に例えられることもある女性服に比べると常にリアルクローズ寄りだが、今回は定番の生地や得意の手法をランウェールックで駆使し、その傾向がより強くなった印象だ。
まず目を引いたのは、ウールに圧力や摩擦を加え、ふんわりとした質感を出した「縮絨(しゅくじゅう)」と呼ばれる生地を使った服の数々だ。冒頭のルックでは青と紫の中間色、その後は黒だけでなくグレーや、鮮やかな赤いセットアップも登場した。
ショーの終了後、バックステージで取材に応じた川久保は縮絨を多用した理由について、「(高密度で織られた)ウールギャバジンと並ぶ、コムデギャルソンの定番生地だから」と説いた。しかし、近年のメンズで、縮絨はコレクションで前面に出すのではなく、ショーに登場しない商品=コマーシャルルックに使われることが多く、長年のファンに人気がある生地だ。これまでは色もブランドの代名詞といえる黒が多かったが、一つのシーズンでこれほどバリエーションをそろえている点にも注目したい。
川久保によるメンズ服といえ…