建設石綿の給付金、国が請求の受付開始 メーカーを集団提訴の動きも

森下裕介
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 建設現場でアスベスト(石綿)を吸って健康被害を受けた作業員の損害を速やかに賠償するため、国は19日から、給付金の請求を受け付ける。国と建材メーカーの責任を認めた最高裁判決を受けて給付金の仕組みが作られたが、建材メーカーは加わっていない。作業員らは3月上旬までに、建材メーカーに損害賠償を求める集団訴訟を起こす。

 給付金は、昨年5月の最高裁判決を踏まえ、1972~75年に石綿の吹きつけ作業に携わったり、75~2004年に屋内の建設業務で石綿にさらされたりした作業員や「一人親方」らが対象。中皮腫肺がんなどの病状に応じて550万~1150万円、亡くなった場合は遺族に1200万~1300万円を支給する。支給後に病状が悪化した場合、給付金を追加する。

 これで、作業員らが訴訟を起こさなくても、国から同水準の給付金を受け取れる仕組みが整った。ただ、この仕組みに対し、建材メーカーから拠出はない。そのため、大阪や兵庫などの元作業員や遺族ら約20人は建材メーカーに損害賠償を求める集団訴訟を大阪地裁に起こすことを決めた。

 建設アスベスト訴訟全国弁護団共同代表の村松昭夫弁護士は18日に記者会見し「建材企業は争い続ける姿勢を崩していない。被害者の全面的な救済の道を探っていきたい」と話した。

 全国弁護団は、給付金の手続きを含めた石綿被害に関する無料の電話相談(0120・793・148、平日午前10時~午後5時)を受け付けている。大阪アスベスト弁護団も19、20日午前10時~午後5時、無料のホットライン(0120・966・329)を開設する。(森下裕介)