トンガ噴火、冷夏など気候影響は限定的か 二酸化硫黄の放出少なく

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小宮山亮磨、香取啓介
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 南太平洋のトンガ諸島で起きた大規模な噴火で、地球の気温を低下させる作用がある二酸化硫黄の放出量が、1991年のフィリピン・ピナトゥボ山の噴火の40分の1ほどだったとみられることが、欧州の地球観測衛星のデータから分かった。海底火山の噴火だったため、ガスが海水に溶けて大気中にあまり出なかった可能性がある。専門家は、地球の気候への影響は限定的とみている。

 人工衛星による火山ガス観測の第一人者である米ミシガン工科大のサイモン・カーン教授のSNSへの投稿によると、欧州の地球観測衛星センチネル5Pのデータから、今回の噴火で放出された二酸化硫黄は40万トンほどだったとみられる(https://twitter.com/simoncarn/status/1482612959104974848別ウインドウで開きます)。

 噴火が気候にどれぐらい影響するかは、二酸化硫黄の放出量が鍵を握る。気象庁気象研究所の小畑淳室長によると、二酸化硫黄は大気中で、化学変化して硫酸エアロゾルになる。成層圏に達すると、上空を長期間漂い、太陽光を反射させて地表への日照を減らす。

 米地質調査所(USGS)によると、北半球の平均気温を0・5度ほど押し下げ、記録的な冷夏と米の大凶作をもたらしたピナトゥボ山の噴火では1700万トンが放出された(https://pubs.usgs.gov/pinatubo/self/別ウインドウで開きます)。今回の放出量は現在のところ、ピナトゥボ山の40分の1以下にとどまる。

 小畑さんは「地球全体の気候に影響するのは少なくとも二酸化硫黄の放出が1千万トン以上の場合。しかも、ピナトゥボ山のような大規模な噴火でも気温の低下は数年だった」とし、長期的な地球温暖化の傾向に変わりはないとした。

南半球にあることも影響か

 火山ガスに詳しい産業技術総…

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