世田谷の夫婦「都会で人生終えるのは…」移住し開いた、週2の喫茶店

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笠原雅俊
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 清流四万十川のほとりで週2日のみ営業する喫茶店が今年で開店5年目を迎えた。豊かな自然に憧れて東京から移住した夫婦の手作りのケーキとコーヒーを求め、全国からファンが訪れる。ガラス窓に広がる青い川の流れと緑陰の木漏れ日に包まれた小さな店は隠れ家の趣だ。

 高知県四万十市の三里沈下橋近くにある「SHADE TREE COFFEE(シェード ツリー コーヒー)」。大きく蛇行する四万十川を見下ろす断崖の上に立つ。

 2017年11月、東京・世田谷から移住してきた久保田恭彦さん(51)と七海さん(50)夫妻がオープンした。店名はコーヒーの木を直射日光から守る「樹(き)」の意味を込めた。

 都内の市場調査会社で働いていた2人は、「このまま都会で暮らして人生を終えるのはもったいない」と思うようになった。恭彦さんは地方に移住して1次産業に携わりたいと考え、NPO法人「自伐型林業推進協会」が開催したフォーラムに参加した。

 自伐型林業は限られた森林の管理を地域の個人などが担い、収入を得る小規模の林業。高知県内で盛んだと聞き、数カ所訪れた中から「直感的に」四万十市を選んだという。

 山林を借り1人で小さな機械で道を造り、ヒノキやスギを切って運び出して収入を得る仕事を始めた。妻の手作りの弁当を持って朝から夕方までの仕事は楽しかったという。

 1年後、山林の所有者から「おもしろい所がある」と案内されたのが今の建物だ。眼下に四万十川の絶景が広がり、木々の緑の葉が揺れる。2人は「四万十川が見える喫茶店をやりたい」と思った。

 恭彦さんはコーヒーの焙煎(…

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