DV離婚家庭へ10万円なぜ届かない? 子育て家庭への支援のはずが

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久永隆一 神澤和敬
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 首相が子育て世帯への給付金だと明言したのに、離婚後、子どもを育てる家庭に届かない。政府が打ち出した18歳以下への10万円給付でそんな事態が起きている。取材した30代の女性もその一人だ。家庭内暴力(DV)を振るい、養育費も払わない元夫が子ども3人分、30万円全額を受け取る。女性は子どもを育てているにもかかわらず、手元には1円も来ない。なぜ、こうしたことが起きるのだろう。

 「子どものためのお金のはずなのに、届きません。前の夫に入るのは、おかしいと思います」

 昨年9月以降に離婚した30代の女性はこう話す。夫は結婚してから女性の首を絞めるなど、暴力を振るい始めた。生まれた子どもにも女性が見ていないところで手を上げた。

 あざの原因を聞くと、子どもは「覚えてない」と口をつぐんだ。夫を問い詰めると暴力を認め、こう返ってきた。「俺が悪いんじゃない。お前がちゃんと子どもをみていないからだ」

問い合わせたコールセンター まさかの返答

 昨年12月21日の首相官邸。岸田文雄首相は10万円給付を「子育て世帯への給付金」と呼び、「迅速にお届けすることが何よりも大事だ」と、成立した補正予算の意義を誇ってみせた。

 ところが離婚後も子ども3人と暮らし、子育て世帯であるはずの女性の元にこのお金は今も届かない。

 女性が昨年12月、役所から…

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    南野森
    (憲法学者・九州大学法学部教授)
    2022年1月19日19時18分 投稿

    【視点】DV夫から逃れた妻子が本来受け取るべき給付金を、「お役所仕事」で元夫の口座に振り込むことの理不尽さ。   対応を問われた官房長官は、「実務面などで難しい面がある」と答えたとのことですが、兵庫県明石市のように「子どもを育てている側を確認し

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    犬山紙子
    (エッセイスト)
    2022年1月19日12時49分 投稿

    【視点】10万円給付にスピード感が必要であることはもちろん、そこから更に柔軟な対応をプラスするまでセットでないと本来の意図とズレたものになってしまう。コロナ禍で大変になった方の命を守る10万円でもある。この10万円はダイレクトに子どもが食べるご飯に