濃厚接触調査を縮小へ、保健所の態勢逼迫 新たに256人が感染

新型コロナウイルス

久保田一道
[PR]

 茨城県は18日、新たに256人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。公表される感染者数が200人を超えるのは5日連続。県は、感染者数の急増に伴い、濃厚接触者を追跡する調査を同居の家族に限定すると明らかにした。

 1日に公表される感染者数の1週間の平均は、18日までで約233人。入院中の患者も1週間で31人増えて90人となった。県は18日、県独自の4段階の警戒レベルを最も低い「ステージ1」から「ステージ2」に引き上げた。ただ、県民に新たな行動制限を求めることはない。

 吉添裕明保健福祉部長は、「まん延防止等重点措置」の必要性を判断する基準として、同日時点で15%となっている病床稼働率など、医療提供態勢を重視する考え方を示した。ただ、現段階では要請に踏み切る際の具体的な数値は決めていないと説明した。

 一方、感染者の急増で保健所の業務が逼迫(ひっぱく)しているとして、感染者の濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」の範囲を当面、同居家族に限ることにした。

 県内の保健所は、感染者の直近数日間の行動歴を調べ、濃厚接触者を割り出してきた。感染源を突き止めることで、感染拡大を防ぐのが目的だ。だが、感染者が増えて、入院の要否を判断するための症状の聞き取りに時間をとられるようになっており、直近の行動歴を聴取する余裕がなくなってきているという。

 県の担当者は、調査範囲を限定することで、新たな感染者の把握に遅れが出る可能性があると認めた上で、「(陽性が判明している)感染者に必要な医療を受けていただくことを優先したい」と理解を求めた。(久保田一道)

     ◇

 茨城県と水戸市は18日、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種に向け、2月上旬から県内の計6カ所に大規模接種会場を設置すると発表した。

 県が設置する5カ所は、月曜を除く週6日の午前10時半から午後6時に接種が受けられる。水戸市が設置する市総合運動公園体育館では、土、日曜の午前9時~正午と午後2~5時に実施する。いずれも、市町村の予約サイトなどから申し込みができる。

     ◇

 水戸市は2月5日から、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種のため、市総合運動公園体育館(見川町)に大規模接種会場を開設する。毎週土、日曜の午前9時~正午と午後2~5時に実施し、1日約1200~1300回の接種を見込む。米モデルナ製ワクチンを使用する予定。

 実施日には水戸、赤塚駅と会場をそれぞれ結ぶ無料のシャトルバスを運行する。3月以降の日程は決まり次第公表するとしている。

住民の感染が確認された自治体

(かっこ内は新たな感染者数)

水戸市(31)、つくば市(30)、取手市(16)、土浦市(15)、ひたちなか市(14)、筑西市古河市神栖市つくばみらい市(各12)、龍ケ崎市、牛久市(各9)、守谷市茨城町(各8)、下妻市、行方市(各7)、美浦村(6)、笠間市小美玉市阿見町(各5)、石岡市日立市鉾田市鹿嶋市河内町(各4)、利根町(3)、稲敷市(2)、かすみがうら市常総市北茨城市、常陸太田市那珂市坂東市、境町、県外(各1)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

今すぐ登録(春トクキャンペーン中)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

春トク_2カ月間無料
新型コロナウイルス最新情報

新型コロナウイルス最新情報

最新ニュースや感染状況、地域別ニュース、予防方法などの生活情報はこちらから。[もっと見る]