「高校生漫才」準Vの2人、吉本NSCへ ボケ担当は元々公務員志望

小沢邦男
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 高校生の漫才日本一を競う大会で、県立矢掛高校(矢掛町)の3年生コンビが準優勝に輝いた。2人はプロの漫才師を目指し、春から大阪の養成所へ進む。当面の目標はM―1グランプリ優勝だ。

 佐藤大地さん(17)と山県健明(けんあ)さん(18)は中学時代からの友人。コンビ「うるをぼえ」は高校入学後に結成した。漫才師になるためにネタを書きためていた佐藤さんが、私生活でもつかみどころのないボケを放つ山県さんを誘った。佐藤さんが岡山弁で激しい口調で突っ込むのが、2人の漫才スタイルだ。

 2人が準優勝したのは、吉本興業が主催する「ハイスクールマンザイ」。今年は全国673組の高校生が挑んだ。コロナ対策のためリモート開催となったが、予選を経て中四国代表として昨年12月18日にあった決勝8組に残った。事前提出した動画を、オール阪神・巨人笑い飯タカアンドトシなどそうそうたるメンバーが審査した。

 2人の漫才は「リモート面接」がテーマ。求職者役の山県さんが、佐藤さん扮する採用担当者役に対し「私の方から志望理由や趣味を軽くお話しする感じになります。何か質問は?」とボケると、佐藤さんは思わず「お前が回すな。ここは面接官が回す場じゃ」と岡山弁で激しく突っ込む。山県さんのボケは止まらず「リラックス、リラックス」「万引きで最高裁までいった」などとおどけると、佐藤さんは「リモートじゃなかったら手が出るぞっ」と怒りを爆発させる。

 大会には前年に次いで2回目の出場。前回もリモート開催で中四国代表として決勝に進出したが、2位内には入れなかった。この経験を基に「次は優勝を」と佐藤さん宅で毎週ネタ合わせに励んだ。「岡山弁でムチャクチャ強く言葉を出した」と佐藤さん。山県さんも「ボケまくって佐藤を振り回した」。通信環境が不安定になることも計算に入れ、ワンテンポ早く突っ込みを入れるといった工夫も取り入れた。

 優勝は近畿地区代表のトリオの手に。それでも全国2位に佐藤さんは「高校生活をお笑いに侵食された成果が出せた」と喜びはひとしお。佐藤さんは元々プロ志向だったが、山県さんは当初、公務員を目指していた。それが今回の大会を経て、「もっと挑戦したい。テレビに出られるようになりたい」と本気でプロを目指すことにした。

 とは言え、厳しいプロの世界。一朝一夕で売れるわけではない。春からは大阪で共同生活をしながら吉本興業の養成所「NSC」での修業が始まる。ともに「クラスメートの前ではまだ恥ずかしい」と披露することはあまりなかったというが、売れに売れまくって、「将来矢掛で凱旋(がいせん)ライブをしたい」と口をそろえた。(小沢邦男)