失恋、結婚、出産、子育て… つじあやのがたどった激動の10年
定塚遼
7~8年前、失恋してつらい日々がやってきた。「ドンとショックが来て、それが尾を引いた。本当に苦しくて、同時に世の中につらい思いをしている人ってたくさんいるんだろうなと、何となくわかりました」シンガー・ソングライターのつじあやのはそう語る。
2010年以来の新作アルバム「HELLO WOMAN」が6日にリリースされた。失恋の絶望から結婚、出産、子育て……。つじあやのがたどった激動の10年余りが色濃く投影されている。
24歳のとき、スタジオジブリ映画「猫の恩返し」(2002年)の主題歌となった「風になる」のヒットで、一躍人気シンガー・ソングライターの仲間入りを果たした。
「軽く次の恋愛ができない。不器用だなと」。すぐに次の恋愛に移れる人がうらやましかった。「朝が来るまで」では、そんな憧れの女性像を詞にした。
「ドロドロした時期」が続いた後、相手に巡り合って結婚し、2017年には出産した。楽曲「ただの人」の歌詞では「奈落の底」「底なしの暗闇」から、「春」を迎えるまでの心情を赤裸々に描く。
子育ては「率直に言って大変…