岸田文雄首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が19日、衆院本会議で始まった。主なやりとりは以下の通り。
【10万円給付】
立憲民主党・泉健太代表 昨年9月以降に離婚した世帯の子どもに給付金が届かない事例が相次いでいる。国費で給付金を届けるよう指示して欲しい。
岸田文雄首相 迅速に支給するため、児童手当の仕組みを活用しており、基準日以降に離婚した世帯への制度的な対応は難しい面があるが、自治体に対し、地域の実情に応じて、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金による給付金の支給を検討することをお願いしている。
【自衛隊法改正】
泉氏 昨年8月のアフガニスタンからの邦人退避について、岸信夫防衛相が「自衛隊法が障害となった事実はない」と発言した。何を改正するのか。
首相 現行の規定では、自衛隊の派遣について、民間機と同程度の安全性が必要であるかのような誤解があり、アフガンへの派遣の際にも一部から疑問が呈された。このため、自衛隊として予想される危険を回避するための方策を講じた上で派遣してきた実績を踏まえ、現行の規定を改正し、この誤解を解消したい。邦人輸送で自衛隊法が障害になったという事実はない。
【皇室典範】
泉氏 安定的な皇位継承のあり方をめぐる有識者会議の報告書は、天皇退位の特例法を制定した際の付帯決議の課題をまとめるものとなっているか。
首相 大変丁寧に議論を尽くしていただき、バランスのとれたものになっている。今後は、国会で検討が行われるものと承知しており、報告書が、これに資するものになってもらいたい。
【統計不正問題】
自民党・梶山弘志幹事長代行 信頼回復と徹底的な再発防止に向けた決意は。
首相 今後(総務省の)統計委員会で、国土交通省の検証委員会報告を精査の上、統計作成上の課題や問題を抽出し、基幹統計について集計プロセスを点検するとともに、再発防止策やデジタル化、人材育成などの公的統計の改善施策を取りまとめることとし、関係閣僚に統計委に協力し、統計の信頼回復に向けて全力で取り組むよう指示する。
【出入国管理法の改正】
立憲・小川淳也政調会長 国際社会の要請に応えるためにも、今国会に入管法の改正案を提出すべきだ。
首相 国外に退去すべきことが確定した外国人の送還忌避、収容の長期化は、非常に重要な課題であり、政府としてもその解決のため、入管法の改正が必要であるという認識は従来と変わっていない。法務省で慎重に検討している。