養殖ブリの稚魚大量死 トンガ噴火の潮位上昇影響か 鹿児島・種子島

奥村智司
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 鹿児島県種子島で、養殖していたブリの稚魚が大量に死んでいるのが確認された。地元漁協や業界団体は、トンガ諸島の海底火山噴火による潮位上昇の影響で、海中から水面近くに吹き上げられたいけすの網に魚がこすれるなどして被害が出たとみている。

 種子島には、噴火による津波注意報が16日未明に出され、島内で0・5~0・7メートルの潮位上昇が観測された。

 南種子町漁協によると16日朝、町内の島間港の養殖いけすでブリの稚魚の大量死を確認。19日までに約7万匹の死骸を回収した。

 衰弱している魚も多く、被害はさらに増える見込み。被害額は3千万円近くに上るとみている。

 全国海水養魚協会(神戸市)によると、養殖のこうした被害は津波の際に多く発生するという。外洋と港湾内の潮位の差で速い潮の流れが起きる。いけすの海中の網が水面近くまで吹き上げられることで、魚同士や魚と網がこすれて傷み、衰弱死につながるという。

 水産庁の19日までのまとめでは、噴火を受けた国内の潮位上昇で岩手、宮城、和歌山、三重、沖縄の5県でワカメ、カキ、モズクなどの養殖施設が損傷した。養殖魚の被害の報告は今のところ、種子島の例だけだという。(奥村智司)