黒板の裏から創建当初?の黒板 被災した重文、チョークの文字調査へ

大木理恵子
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 熊本大(熊本市中央区)にある国指定重要文化財で、2016年の熊本地震で被災した五高記念館と化学実験場の復旧工事が完了した。12日、報道陣に内部が公開された。

 熊本大の前身の一つ、旧制第五高等学校の校舎だった五高記念館は、明治22(1889)年に建てられ、夏目漱石やラフカディオ・ハーンらが教壇に立った。1969年に国の重要文化財に指定された。

 熊本地震では、れんが壁の割れや煙突倒壊などの被害を受けた。復旧工事は東日本大震災で被災した重要文化財の例を参考にして進められた。使える瓦やれんがを探して修復に活用し、内壁の色を工夫するなどして明治時代の面影を残しながら、構造を補強した。

 復旧工事の過程で新たにわかったこともある。館内の教室にあった黒板は、被災前までは創建当初のものと考えられていた。だが、工事で黒板を解体したところ、その裏に別の黒板片が発見された。これが創建当初の黒板とみられ、チョークで書かれた文字や消した跡も残っていた。書かれた時期は不明で、今後、文字の意味も調べるという。

 五高記念館をはじめとする大学施設復旧の総工費は約110億円で、文部科学省から交付を受けた災害復旧費を充てた。五高記念館について、熊本大は今春ごろの一般公開をめざす。展示品を入れたり、市民講座などで活用したりすることも考えているという。

 被災した大学施設のうち、工学部研究資料館は内部設備の修理が続いており、来月に完成する予定。(大木理恵子)