連続事故のボーイング737MAX、世界の主要市場に3年ぶり復帰へ

江渕崇
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 連続墜落事故を起こした米ボーイングの小型旅客機「737MAX」について、中国の航空当局が近く、ほぼ3年ぶりに運航を認める見通しになった。中国は事故直後、世界に先んじて同型機の運航停止に踏み切っていた。中国での運航再開が認められれば、米国、欧州を含めたほぼ全ての主要市場に、737MAXが復帰することになる。

 737MAXは2018年10月にインドネシアで、19年3月にはエチオピアで墜落事故を起こし、計346人が死亡した。2度目の事故の翌日、中国は真っ先に領空内での同型機の運航を禁じ、アジアや欧州、中東などの当局がそれに続いた。

 中国で航空機市場が拡大していたのを背景に、航空行政でも中国当局が存在感を発揮し始めたものと受け止められた。なお、米国と日本が運航停止に踏み切ったのは事故から3日過ぎてからで、主要国では最後だった。

 中国民用航空局は昨年12月、737MAXの運航再開に向けた指針を各航空会社に示した。今月9日には海南航空が乗客を乗せない試験飛行を行っている。米ブルームバーグ通信は関係者の話として、今月内にも737MAXの運航が再開される見通しだと報じた。

 ボーイングは事故後、墜落の原因となった飛行制御システムを改修するなどの再発防止策を講じた。これを受け、米連邦航空局(FAA)など各国の航空当局は2020年11月以降、運航再開を順次認めており、すでに180カ国以上で運航が許されている。

 日本の国土交通省も21年1月に運航再開に向けた申請を受け付け始めた。ただ、日本の航空会社はもともと737MAXを運航していない。

 737MAXはボーイングの受注残の大半を占める主力機。昨秋の時点で抱えていた737MAXの在庫約370機のうち、ほぼ3分の1は中国向けとされる。連続墜落事故とコロナ危機で経営難に陥ったボーイングにとって、最大市場・中国での運航再開は再浮上に向けた重要な一歩となる。江渕崇