拾ったゴミもいつかは遺物に? 天理で成果展

米田千佐子
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 遺跡などからの出土品が並んだように見える写真に写るのは、市内で見つかったゴミだ。古墳の前で食事する映像も。奈良県天理市で、滞在しながら作品をつくる、アーティスト・イン・レジデンスの成果展「I was you, you will be me」が開かれている。写真家の倉谷卓さん(38)は「200、300、500年後の人にどう見えるか想像してもらいたい」。

 山形県出身で千葉県を拠点とする倉谷さんは、昨年10月から90日間、天理市に滞在。まちの人や考古学者らと話し、まちをめぐった。歴史の積み重ねを意識すると、落ちているものが特別に見えてくるという同市の面白さや点在する古墳に着目した。

 「奈良はその辺を掘ったら絶対何か出てくるで」と聞いていたという倉谷さん。「落ちているものを見つけたら、『もしかして』という気持ちになる。ゴミもいつか遺物になるかも」。博物館などのサイトを参考にゴミを並べ、「出土品」として撮った。額縁も同市の文化センターの倉庫で眠っていたもの。汚れもそのままに展示している。

 スマートフォン約20台も並ぶ。天理市や近隣の市の古墳の前で、近くの店でテイクアウトしたものを食べる映像が流れる。被葬者に食物を供え、それを食したという儀式を現代的に再現した。古墳が、「遊ぶ小山」や「その辺の丘」と受け止められている感覚が面白かった。「お墓に戻して、そこに死者がいると想像してもらいたい」。テイクアウトの器も展示する。

 30日まで「Art―Space TARN」(天理市川原城町)で。26日を除く、月火水は休み。オンラインで会場風景が見られる(https://tenri-tarn.tumblr.com/kurayatakashi別ウインドウで開きます)。問い合わせは同市文化スポーツ振興課(0743・63・5779)。(米田千佐子)