バレンタインに初イベント 楠田枝里子さん「チョコ研究家」の矜持は

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聞き手・吉田美智子
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 「チョコレートの奇跡」などの著書がある、司会者・エッセイストの楠田枝里子さん(70)がプロデュースしたブティック「ショコラ・エ・ショコラ」が、大阪市天王寺区あべのハルカスで開催中のバレンタインフェアに出展中です。「物心ついた時から、チョコを食べない日はない」と言うほどチョコ好きの楠田さんですが、イベントを手がけるのは初めて。その理由と、「チョコレート研究家」の矜持(きょうじ)をうかがいました。

くすた・えりこ

1952年、三重県伊勢市生まれ。TV番組「なるほど!ザ・ワールド」「世界まる見え!テレビ特捜部」などの司会で活躍。著書に「チョコレートの奇跡」など。プロデュースイベント「ショコラ・エ・ショコラ」は18日~2月14日、大阪市のあべのハルカスで。

とろける味わい、夢中に

 しつけには厳しい母でしたが、小さい頃から、おやつにチョコを食べることだけは制限されませんでした。母は栄養士でしたから「食べる点滴」と言われるほどのチョコの栄養価を知っていたのかもしれません。私がとりこになったのは、社会人になってからです。1990年代に入って、ミッシェル・ショーダンのチョコと出会い、口の中でとろける味わいに夢中に。ブティックが銀座に登場したばかりで、日本のチョコレートブームの先駆けでした。

 「作り手の話を聞きたい」と、国内外のショコラティエのインタビューを重ね、海外のアトリエも訪ねるようになりました。これまで数十人ぐらい。欧米では、ショコラティエは職人であり、アーティストです。チョコは五感を刺激する「総合芸術」だと気づき、すっかりその世界に魅せられました。元々理系だから、原料のカカオや成分のポリフェノールが「体に良い」と聞くと、論文も読みあさって。奇異な目で見られたこともありましたが、いまではチョコが健康に良いことは科学によって証明され、当然のように受け止められているのはうれしいですね。

ジャンポール・エヴァン、ピエール・エルメら巨匠が協力

 今回、イベントに協力してくれているジャンポール・エヴァンとは、20年ほど前に知りあいました。初対面の瞬間、そのまなざしから「真摯(しんし)にチョコと向き合っている」と感じました。それから毎年のように会い、いまや家族ぐるみのお付き合いですが、最初の印象は何も変わりません。ジャンポールはコロナ禍の一昨年の秋、ポップアートのような底抜けに明るいコレクションを発表。昨秋は疲弊した社会に希望の灯をともすように、小さな豆電球をあしらったクリスマスケーキをつくりました。コロナではチョコの業界も、原料の入手やロックダウンで大きなダメージを受けたと聞きます。なのに、彼はショコラティエとして、同時代を生きる人々に寄り添い、エールを送っている。心から尊敬しています。

 チョコにまつわるプロデュー…

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