情報の大動脈断絶、日本は大丈夫? トンガ噴火で損傷の海底ケーブル

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聞き手・松井健
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 南太平洋のトンガ諸島で起きた海底火山の大規模噴火で、現地トンガの被災状況がなかなか伝わってきません。島国のトンガと隣国フィジーをつなぐ唯一の海底ケーブルが損傷し、インターネットや電話が通じなくなっているためです。現代の社会を生きる私たちに不可欠なインターネットのデータのほとんどは海底に敷設されるケーブルを通じて運ばれます。同じ島国の日本は大丈夫なのでしょうか。海底ケーブルを「情報社会大動脈」と呼ぶ慶応義塾大学の土屋大洋教授(国際政治学、情報社会論)に聞きました。

 ――周囲を海に囲まれた島国では、ネットや電話はどのように外国とつながっているのですか。

 トンガも日本も、データ量の99%は海底ケーブルで伝わっていると思います。海底ケーブルはもともとは19世紀にできたのですが、そのときは銅線でした。戦後になってからもう少し太い同軸ケーブルになり、1980年代後半から光ファイバーが使われるようになりました。

 光ファイバーの容量はものすごく大きくなり、衛星による通信から一気に入れ替わりました。人工衛星は静止軌道衛星の場合、上空3万6千キロまで上がらなくてはならないので、情報が行って戻ってくるだけで時間がかかるのです。昔、国際電話をしていて音声の遅延がありませんでしたか。あれは人工衛星なのです。

 それが海底ケーブルが光になって普及し、今、スカイプやズームでまったく遅延がないのは光ファイバーのおかげなんです。衛星による通信は、速度の遅さに加え、価格も高いので、今はほとんど使われません。

 ――現代の海底ケーブルはどのくらいの太さなのですか。

 光ファイバーそのものは髪の毛より細く、それを8本ぐらい束ね、芯の周りを樹脂や金属、さらに外側をプラスチックのようなもので固めます。太さは、そうですね、海岸に近いほど太くて、ビールの大瓶ぐらいでしょうか。沖合に行くほど細くなり、ビールの大瓶の口のあたりぐらいの太さになります。

 ――海底ケーブルは、だれが敷設しているのですか。

 2000年代ぐらいまでは…

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