トンガ級の巨大噴火、予知できる? 火山大国・日本が抱える課題
山野拓郎、川村剛志
南太平洋のトンガ諸島で日本時間15日に発生した海底火山の噴火は、噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI)で、上から3番目の6かその下の5だったとみられる。日本でもこの規模の噴火は歴史的に繰り返し発生してきた。巨大噴火は予知できるのか。
トンガと同じく海洋プレートが沈み込む日本は、世界有数の火山大国だ。世界の7%にあたる111の活火山が集まっている。
噴火も多く、沖縄などに大量の軽石をもたらした小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火がVEI4。1914年に鹿児島県の桜島で起きた大正噴火も4で、明治以降はこの二つが最大級だった。
緊急火山情報を出し、避難が成功した例はあるものの…
時代をさかのぼれば、さらに大規模な噴火も起きている。江戸にも火山灰が降った1707年の富士山宝永噴火は5、1739年には北海道の樽前山でも5があった。915年には青森・秋田県境の十和田湖が5の噴火を起こしている。
そこまでの規模ではなくても、天明の大飢饉(ききん)を起こした1783年の浅間山の噴火(VEI4)や、山が崩壊して村をのみ込んだ1888年の福島・磐梯山の噴火(同2)、全島避難が迫られた2000~02年の東京・三宅島の噴火(同3)など大きな被害が出た例も多い。
気象庁は、111の活火山の…