「規格外」の水道管塗料、16都市が工事中断 水の安全は大丈夫か

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野口陽、編集委員・堀篭俊材
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 塗料メーカーの神東塗料(本社・兵庫県尼崎市、東証1部)が水道管の塗料に規格外の原料を使っていた問題は、全国の多くの大都市が一時、安全確認のために水道管工事を止める異例の事態に至った。品質に対するメーカーの姿勢や、水の安全を守るチェック体制の不備が厳しく問われている。

 水道用品の規格を定める日本水道協会によると、神東塗料は認証ずみの24製品の半分の12製品で、実際は規格で認められていない原料を使うなどしていた。

 問題の塗料が使われているのはダクタイル鋳鉄管。炭素が多く含まれ、腐食やさびに強く、老朽化した水道管を交換する際によく選ばれている。全国の水道管の54%、東京都では90%以上を占める。

 塗料は主に水道管の外側に使われるが、管と管とをつなぐ部分では内側にも塗られ、水に触れる。同社から連絡を受けた日本水道協会が、水道管メーカーに関連製品の出荷自粛を要請したのを機に、全国の自治体は相次いで工事を止めた。

 影響は大きかった。大阪市は今月13日、進行中の工事の半数以上にあたる水道工事140件を中断した。「製品の問題で全国的に工事が中断したケースは、前代未聞」(担当者)。東京都は発注する工事約1千件のうち、約200件を中断した。朝日新聞が都と全国20の政令指定市に取材すると、仙台市浜松市京都市広島市福岡市熊本市など16自治体の工事に影響していた。

 12製品のうち、これまでに2製品については安全性に問題がないと確認され、一部の出荷や工事は再開された。ただ、残る10製品の安全性の確認には、1カ月~2カ月かかる見通しだ。年度末の工事が集中する時期に、約1週間も工事がストップした影響も懸念される。全工事の約3割を中断した横浜市は「年度内に間に合わない工事も出そう」という。こうした自治体と神東との間で補償問題に発展する可能性もある。

品質試験の「穴」が浮き彫りに

 今回の問題は昨年10月、神…

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