「なにかあるな」受験生の直感 見慣れない制服、夜道を歩く女の子
遠藤美波
大学入試の共通テストを1カ月後に控えていた、昨年12月の月曜日。兵庫県立加古川東高校3年の岸本悠花さん(18)は、JR明石駅近くの学習塾で勉強に明け暮れていた。
午後7時半ごろ、夕飯を買いに近くのコンビニへ。その道すがら、見慣れない中学の制服を着た女の子とすれ違った。
国道2号沿いを、下を向いてとぼとぼと、少し足をひきずるように歩く姿が気になった。
制服の上にはウィンドブレーカーだけ。部活帰りにしても遅いな、どこの子だろう、と思った。
コンビニを出ても、女の子はまだゆっくりと歩いたり、立ち止まったりしていた。向かっている先は駅と反対方向。「何かありそう」と直感した。
「どこ行くの? そっちは何もないよ」
話しかけると、女の子はぽろぽろと泣き出した。
ひとまず学習塾まで連れて行…
【視点】「なにかあるな」という直感から実際に行動した岸本悠花さんは素晴らしいと思う。 こうした直感を覚えることは、日常生活においてままにある。違和感を覚えたり異変に気づいたり、私たちの感受性は意識せずとも周囲の環境に向けられていて、それらを「