北朝鮮、核実験やICBM発射示唆 米国「圧力路線」に転換の可能性

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ソウル=鈴木拓也、ワシントン=園田耕司、北京=冨名腰隆、瀋陽=平井良和
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 北朝鮮が米国による「軍事的脅威」「敵視政策」を理由に、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開を示唆するメッセージを出した。具体的な行動に踏み切ればバイデン米政権が圧力路線へ転換し、朝鮮半島情勢が一気に緊迫する可能性がある。

 北朝鮮は昨年1月の朝鮮労働党大会で示した「兵器システム開発5カ年計画」に基づくと正当化し、迎撃回避能力の高い「極超音速」と称する弾道ミサイルや、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射を続けてきた。ただいずれも短距離で、飛行距離は1千キロ未満。米国を過度に刺激する行動は避けてきた。

 今回のメッセージは、強硬手段の可能性を示すことで米側の関心を引く狙いだとみられる。中国にいる北朝鮮の事情に詳しい関係者によると、北朝鮮側は米国の関心が低下し、「次第に忘れられていく危機感が募ってきた」という。

 ICBM発射や核実験は米国本土の安全保障に直結し、北朝鮮が強行すれば米国との緊張が高まるのは必至だ。それでも韓国・梨花女子大の朴元坤(パクウォンゴン)教授は「ICBM発射の可能性も排除できない」とみる。韓国の専門家には、経済制裁新型コロナによる国境封鎖で国内状況の悪化が限界に達し、北朝鮮が局面打開を狙う「瀬戸際戦術」に転換したとの分析もある。

 北朝鮮と向き合う米バイデン政権は就任以降、段階的な非核化を目指す「現実的アプローチ」を採用。対話路線を強調し、北朝鮮に協議再開を呼びかけてきた。米韓関係筋によると、北朝鮮はバイデン政権が発足した昨年1月以降、米側から水面下で複数回、交渉再開の打診を受けた。だがすべて拒否したという。対話の前提に「敵視政策の撤回」を提示したが、具体的な条件は示さなかった。韓国の専門家には、北朝鮮が制裁緩和や事実上の核保有国認定につながる核軍縮交渉を求め、米側の出方を探っていたとの見方が強い。

 米国は北朝鮮への態度をすで…

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