イスラエル南部のネゲブ砂漠近くで、土地の利用をめぐるアラブ系の遊牧民(ベドウィン)の抗議活動が続いている。アラブ系政党も参加する連立政権の足元を揺るがしかねない事態ともなった。
イスラエルでは、人口の約2割をアラブ系住民が占める。なかでも、南部には約20万人のアラブ系の遊牧民ベドウィンが暮らす。定住化が進んでいるが、政府が正式に承認せず、電気や水道が通っていない村もある。政府はかねて、こうした村から住民の立ち退きを求めてきた。
今月10日、ユダヤ系右派団体がベドウィンの村に隣接する農業用地への植林計画を始めたことで、激しい抗議が始まった。連日続いている抗議の背景には、計画が植林にとどまらず、ベドウィンの土地利用の制限につながる、との危機感がある。
「植林は認めない」「我々は抵抗する」
19日、南部ベルシェバで、数十人のベドウィンが抗議の声を上げた。
13日には、計画に抗議する…