携帯電話基地局など 国の審査対象となる設備を初例示 経済安保法案

安倍龍太郎、小野太郎
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 政府は20日に開かれた公明党の会合で、今国会の提出を予定している「経済安全保障推進法案」に関し、エネルギーや金融などの「基幹インフラ」を担う事業者が、国から事前審査を受けることになる重要設備の事例を示した。電力会社が電気の流れを監視・制御する「系統制御システム」や、銀行の預金システムなどが対象になる。

 政府は「基幹インフラ」について、サイバー攻撃などを受けると国民生活や経済活動が広範に混乱する恐れがある事業と位置づけ、エネルギー、水道、情報通信、金融、運輸、郵便の6分野を想定している。

 6分野の事業者が「重要設備」を導入する際、政府は安全保障上の懸念がある外国製品などが使われていないか事前に審査を行い、必要に応じて勧告や命令を出すことも検討している。

 この日、政府が「重要設備」として例示したのは、電気・ガス事業では、電力の需給バランスを調整する「需給制御システム」、電気通信事業では、高速通信規格5Gに対応した「携帯電話基地局」や通信経路の切り替えを行う「交換設備」などだ。

 銀行・証券・保険事業については、他の銀行への送金など国内で為替取引を行う「内国為替システム」を挙げ、航空・空港・鉄道事業では運航ルートや燃料搭載量などを扱う「飛行計画作成システム」や、鉄道の信号などを制御する「列車運行管理システム」を示した。

 対象となる事業者と重要設備は今後、関係省庁や業界と調整して決める。19日に政府の有識者会議がまとめた提言骨子では、中小企業は国民生活への影響が限定的で審査の負担も大きいため、対象とするのは「慎重にすべきだ」と言及している。主に大規模事業者が影響を受けそうだ。(安倍龍太郎、小野太郎)