北朝鮮のミサイル問題、安保理が手詰まり 中ロ難色で制裁発動できず

ニューヨーク=藤原学思
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 北朝鮮が相次いで弾道ミサイルとみられる飛翔体(ひしょうたい)を発射するなか、国連安全保障理事会が新たな手立てを打てずにいる。米国は追加制裁を提案したが、安保理外交筋によると、北朝鮮の後ろ盾となっている中国とロシアが20日、制裁の導入に難色を示したという。

 北朝鮮は5~17日、4回にわたって飛翔体を発射。朝鮮中央通信は「極超音速ミサイル」や「戦術誘導弾」と伝え、いずれも安保理決議違反に該当する弾道ミサイルとみられる。

 安保理は10日、非公式に対応を協議。欧米の理事国5カ国と日本は北朝鮮を非難する声明も出した。だが、協議の直後には2回目の発射がなされ、北朝鮮が安保理を意に介していないことが鮮明になった。

 北朝鮮は朝鮮中央通信を通じ、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の再開も示唆。安保理も危機感を強め、20日には欧米の理事国5カ国と日本のほかに、ブラジルアラブ首長国連邦(UAE)も加わって非難声明を出し、再び非公式協議を催した。

 米政府は12日、北朝鮮国籍の6人、ロシア国籍の1人、ロシアの企業1社に独自に制裁を科し、安保理としても、そのうち5人に制裁を科すべきだと訴えた。

 制裁を科すには、安保理決議でつくられた北朝鮮制裁委員会で同意を得る必要がある。だが、常任理事国で、同委のメンバーでもある中国とロシアが「検討の時間が必要だ」などとして賛同しなかった。

 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は20日、中ロの対応について「北朝鮮に(何をしてもいいという)白紙委任状を送ることになる。(安保理として)意見を一致させたメッセージを送ることが重要だ」と報道陣に語った。(ニューヨーク=藤原学思

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2022年1月21日13時43分 投稿

    【視点】ロシアは、北朝鮮が公然と国連安保理決議に違反するミサイル実験を行っているのに、毅然とした対応を示しません。安保理の権威が傷つくことは、常任理事国のロシア自身のためにもならないと思うのですが、それよりも、米国中心の安全保障秩序が北朝鮮によって