パリ・オートクチュール 「モードの実験場」で老舗が競い合い

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編集委員・高橋牧子
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 世界でも最もぜいたくで、かつ先進的なファッションを競う場と言われるパリ・オートクチュールコレクション。世界中のごくひと握りの富裕層に向けた超高級注文服で、フランスなどの伝統的な仕立てや細工の技が服のあちこちに込められる。その最新作を発表する2022年春夏コレクションが、1月24日から27日までパリで開催される。朝日新聞は主催者の「ブロードキャスティングパートナー」として、特設サイトで全ブランドの公式発表を配信する。

 今回の参加は約30ブランド。新型コロナウイルスの感染が続くなかでも、約半数がパリ市内の各所で観客を招いたショーを行う予定で、その模様を配信する。ただ、開催日直前まで有観客で行うかどうかは未定とするブランドもある。他は事前に制作した映像を流す。

 パリ・オートクチュールは近年、新素材や技術の開発、革新的な協業などを背景に、これからのファッションの新しい方向性を模索する「モードの実験場」としての存在感を年々増している。今回はそんな流れがさらに加速するのかどうかがポイントになりそうだ。

 なかでもシャネルやクリスチャン・ディオール、ヴァレンティノやフェンディといった老舗ブランドの新たな表現への挑戦や、凝った手仕事が見どころだ。

 シャネルの会場は、いつものようにパリ中心部にある歴史的建造物グランパレの予定。デザインは19年からヴィルジニー・ヴィアールが担っている。それまでの約35年間、デザイナーを務めていた故カール・ラガーフェルドのように前衛的ではないが、自然体でかつ繊細な作風で人気上昇中だ。シャネルは、傘下に収めるフランスの伝統的な工芸技を持つ工房を集めた新施設を、このほどパリ19区に開設したばかり。まさにオートクチュールで用いるような手仕事の技にフォーカスしようとする企業姿勢からも、今後はさらに凝った工芸性が期待される。

 ブランドの伝統的なデザインを元にした現代的な作風を得意としながら、フェミニズムも柔らかく主張しているクリスチャン・ディオール、メンズのストリートスタイルで人気のデザイナー、キム・ジョーンズが手掛けて3シーズン目となるフェンディも注目される。ここ数シーズン、超ミニ丈などを発表してぐっと若返ったヴァレンティノはそうした路線を続けるのかどうか。それぞれ老舗の底力が試されそうだ。

 また、「オートクチュールの新たな展望を発信する」として前回から、ゲストデザイナーを迎えて協業で新作を発表しているジャンポール・ゴルチエ。今回は、ストリートスタイルで知られるブランド、ワイ・プロジェクトのデザイナーと組む。このシリーズのお披露目となった前シーズンは、サカイの阿部千登勢とコラボした。ゴルチエの前衛性やクラシシズム(古典主義)と、阿部の東京ブランドらしいスポーツとフェミニンのミックススタイルがうまくマッチして、話題を呼んだ。パリ・オートクチュールのベテランと今回の協業相手のカジュアルな感覚が、一体どんな化学反応を引き起こすのかが興味深い。

 他にもオートクチュールの進…

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