連載「それでも、あなたを」インド編 取材を終えて
ラタはニコニコして、取材中もよく声を上げて笑っていました。多くの困難に直面してきた人とは思えない明るさでした。
夫のブラハマナンドも、愛嬌(あいきょう)のある笑みをよく浮かべていましたが、まじめで、どちらかと言えば聞き役。ラタの気持ちを常に受け入れ、彼女のために行動してきたことがうかがえました。
「苦しい時こそ、よく話し合うことが大事。気持ちをしっかり伝え合えば、大抵は乗り越えられる」。そんな2人の言葉が印象に残っています。
切り離せない出自への誇り
2人が闘ってきたのは、ラタの兄たちだけではありません。カーストに基づいた「家の名誉」を優先する、旧来の考え方そのものでした。
しかし同時に、2人はそれぞれの出自への誇りも持っていました。
ラタが、自殺ではなく闘って…