サンショウウオなど32種希少種指定 環境省がヤフーに「協力要請」
環境省は、小型のサンショウウオ類など新たに32種類の動植物を、24日付で種の保存法にもとづく「国内希少野生動植物種」に指定する。インターネットオークションでの売買が広まっていたことから、捕獲や採取は認めるが、販売は禁止する「特定第二種」の指定を大幅に増やす。
希少種に指定されると、捕獲や採取、販売などが原則禁止される。希少種のうち特定第二種は、研究や飼育のための採取が例外的に認められている。
今回指定される32種のうち、サンショウウオ科の23種と、淡水性二枚貝のカワシンジュガイ科の2種は特定第二種に加わる。アカイシサンショウウオや長崎県・対馬に分布するキク科のシマトウヒレンなど7種は採取も禁止される。
これまで特定第二種に指定されていたのは、タガメなど3種だけだった。
指定増加の背景には、ネットオークションでの売買がある。サンショウウオは成体だけでなく、繁殖期に卵を採取して出品する行為が問題化。カワシンジュガイは淡水魚のタナゴの仲間が産卵場所にするため、魚の繁殖目的での売買が後を絶たなかった。
環境省によると、ネットオークションでの売買が問題になったトウキョウサンショウウオは、2020年に特定第二種に指定された後、乱獲などは確認されなくなったという。他の種についても指定に向けた検討を進める考えだ。
環境省は昨年12月24日、新たに規制対象に加わる32種の乱獲につながるような取引を控えるよう、オークション大手「ヤフオク!」などに通知した。環境省の担当者は「判断は業者にゆだねたが、協力をお願いした」と話す。
「ヤフオク!」は昨年12月24日、カワシンジュガイなど32種の出品を同27日から禁止すると発表した。担当者は「環境省や有識者の意見も踏まえて判断した」と説明する。(小坪遊)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら