ファイザー3回目接種の副反応は? モデルナとの比較も 厚労省報告
米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの3回目接種後に報告された副反応について、厚生労働省の専門家部会は21日、中間の調査結果を公表した。ファイザー製やモデルナ製の2回目接種後と比べて、どうなのか。
昨年12月から3回目接種が始まった医療従事者2179人の接種後の症状を分析した。
37・5度以上の発熱は39・4%(ファイザー製2回目接種後の1万9592人では38・1%)、38度以上は21・0%(同21・3%)。
大半が接種から2日目に生じており、2回目接種後と同様の傾向だった。
接種部位の痛みなどは92・8%(同90・7%)、体のだるさは69・2%(同68・8%)、わきの下のはれや痛みは5・3%(同1・47%)だった。
一方、モデルナ製ワクチンの2回接種後の1万1791人では、37・5度以上の発熱は76・8%、38度以上は60・1%。
ファイザー製3回目接種後の方が発熱は少なかった。
モデルナ製の3回目接種の副反応については、接種者が増えた段階で調べることにしている。
ファイザーの3回目接種の前後を比べ、ウイルスの感染を防ぐとされる抗体価の変化も調べた。
438人の接種前の分析では、年齢が高くなるほど抗体価がわずかに減少している傾向があった。
このうち、接種後1カ月経った252人の抗体価を調べたところ、平均約50倍に上がり、年齢にかかわらず最終的に同程度になった。
ただ、この抗体価がオミクロン株に対する効果をどの程度持つかはわからない。
接種後に副反応として起こる熱の高さと抗体価の上昇率も比較したところ、高い熱が出ても抗体価が大きく増えるとは限らなかった。
調査をまとめた順天堂大の伊藤澄信客員教授は「熱が出ている人のほうが抗体価が高くなるとは言えず、予想外だった」と話した。
1月2日までにファイザーの3回目接種をした53万1296人では、重大な副反応に位置づけられている心筋炎や心膜炎の疑い例は0件だった。(市野塊)
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厚労省の専門家部会で示された「ワクチン接種後の副反応」についてのデータは以下の通り。
ファイザー製3回目接種後
対象者 2179人
発熱(37・5度以上) 39・4%
発熱(38度以上) 21・0%
接種部位の痛みなど 92・8%
かゆみ 13・5%
だるさ 69・2%
頭痛 55・0%
ファイザー製2回目接種後
対象者 1万9592人
発熱(37・5度以上) 38・1%
発熱(38度以上) 21・3%
接種部位の痛みなど 90・7%
かゆみ 11・9%
だるさ 68・8%
頭痛 53・1%
モデルナ製2回目接種後
対象者 1万1791人
発熱(37・5度以上) 76・8%
発熱(38度以上) 60・1%
接種部位の痛みなど 87・5%
かゆみ 14・0%
だるさ 80・0%
頭痛 63・4%
厚生労働省の資料より